おくむら先生の七色のひきだし

すきっぷ

 

【子どもにはテレビを見せない方がいい?】

我が家には3歳10カ月と1歳5カ月の孫がいます。夕方保育園から帰り、夕食を済ませるとよくテレビを見ています。1時間ほどは見続けることもあるので「今見ている○○が終わったらおしまいね。」と再三声をかけられています。

終わりにしてお風呂に入ったり、歯磨きをして寝る準備をしたりしなければならないことは分かっているようで「終わりにしよう。」とは思っているようですが、途中で止めることはできず番組に一旦区切りがつくまでは見続けます。番組の終わリが近づくとタイミングを逃さないよう、かあたんもじいじもばあばも注意深く声かけの準備をします。終わりにできた時はほめたりご褒美を工夫したりします。切り替えさせるには大人もそれなりの工夫や努力をしなければなりません。


我が子を子育てしている時代は今のようにユーチューブなど好きな時間に好きな番組を選んで見ることのできる環境はなく、ビデオを借りて見ることは出来ましたがその手間は親に委ねられ子どもの力では到底無理でした。それならもっと遡り私たち還暦を超えたじじばばの時代はどうだったでしょう。幼少期どこの家庭にもテレビがあったわけではなく小学生になってからテレビが我が家にもやってきたことを覚えています。子ども向けの番組はほとんどなく、テレビはあってもテレビを見る時間はほとんどなかったのではないでしょうか。ですからテレビが無くても、いや無い方が子どもの生活は豊かに創り出すことができるのかもしれません。

しかし、テレビは「悪」かというと私はそうではないと思います。テレビが中心になりテレビに操られる生活は良くないと思いますが、テレビを上手に活用すればとても有効なものだと思っています。昔に比べ番組の内容も豊富で洗練され、質の高い番組も多くあります。それをうまく活用し子育てに生かすことは大いに賛成です。ただ、テレビに子守を四六時中代行してもらう使い方はどうでしょう?家事が忙しく十分子ども達の遊びに付き合えない時間は「質の良い」テレビを見ておいてもらえれば家事がはかどり子ども達も満足できます。そうすることで家事や子育てのストレスが少し軽減されるのであればそれも良し。と私は思います。ただ、テレビに支配される時間が長くなると、幼少期にしておくべき体験や遊びの時間が奪われてしまっていることを知っておかなければならないと思います。それぞれの発達年齢でくぐっておいてほしい生活や遊びを十分体験せずに通り過ぎてしまうことが一番の弊害だと感じます。
切り替えについては、多くのお父さんお母さんが苦労されるところだと思いますが、テレビだけではなく子どもが今したいと思っていることの切り替えには子どもが納得する方法を考えてあげてください。テレビより楽しい遊びに誘うこと、ご褒美の工夫、ルールの共有や予告など工夫は必要です。
できれば質の高い良い番組を親子で楽しめるといいですね。