おくむら先生の七色のひきだし

すきっぷ

 

【楽では無い子育てのすすめ】

 

我が家には2歳になったばかりの孫がいます。

おっとりとした性格なのか1歳後半ごろまでは、穏やかに表情もよくのんびりと活動するタイプだったのですが・・・。1歳10か月ごろからずいぶん自分がやりたいことや、やり方について主張するようになりました。思いと違う状況だったり納得ができなかったりすると大きな声で泣きじゃくり、抱いてなだめる方法は通用しなくなり余計に体を反らして思いを通そうと自己主張します。

 

思い切りアンテナを高く伸ばして、周囲の状況や、その前何があったのか、何をしようとしていたのかを考え伝えたいことが何かをさぐりますが思いあたりません・・。

訳の分からない強すぎる主張に付き合っているおとなはだんだん疲れてきて「あんなにかわいかったのに・・。」とため息。

そこへYouTubeを見ていた2歳上の兄が「うるさい!聞こえないよ!」と怒り出す。こうなるとお手上げでついつい大きな声で制止しようとしたり、脅してみたり。

 

親子とも疲弊をし、パパやママは「あーまたやっちゃった。」と消沈。

 

 

子育てあるあるをリアルに表現したつもりですがいかがですか?

 

この状況を子どもの発達という視点から肯定的に整理してみたいと思います。

 

 

~2歳前後の発達~

 

2歳前後は運動能力や言語能力が飛躍的に発達し、自我や自立心が芽生えはじめる時期です。

 

それまでほとんどを受動的にお世話されてきた生活から、自分でもできることが増え、「何でも自分でできてしまう。」と勘違いしてしまい、できないのに自分でしたいと主張します。やろうとしたものの思うようにできないのでまた怒り出します。手伝うとやり方に納得いきません。

 

一見強いこだわりのようにも見えます。これまで子どもが泣いたり、ぐずったりするのは、お腹がすいたとか眠いとか生理学的な欲求を伝えようとするものでしたが、自我や自立心が芽生えやりたいことを実現させようという欲求が高まると子どもは理想と現実のギャップを突きつけられ心中穏やかでは無くなるのです。

2歳は言語能力が飛躍的に発達するとはいえ理解と発語に差が大きい時期で伝える言葉は未熟です。うまく伝えられないのが現実です。泣いたり暴れたり行動で表現するしか伝える方法がありません。

 

こう考えると関わる大人にとってはどうしようもなくイライラしてしまう子どもの姿でも成長する過程では自然な姿でありむしろ喜ぶべきであると思えませんか。

 

 

1歳後半から2歳頃の「イヤイヤ期」続いて3歳から4歳頃までの「第1児反抗期」と言われる時期(個人差があり多少時期はずれますが。)の親にとってのやりにくさは無くてはならないむしろあってほしい、親御さんがくぐってほしいトンネルなのです。

 

できるだけ肯定的にその姿を理解し共感しながら付き合ってほしいと思います。

 

自立とは「親にとって、とても手がかかる状態になること」であるとスクールカウンセラーで医師の明橋大二氏は言っておられます。

根気よく付き合ってあげてください。