第5回の『いろんな専門家に聞いてみよう』は言語聴覚士の島嵜先生です。
~言語聴覚士とは…Speech-Language-Hearing Therapist(ST)とも呼ばれ、ことばによるコミュニケーション(言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能)の専門家です。こどもから大人までの【ことば(話す・聞く)】や【食べる】へのリハビリテーション等を行っておられます。すきっぷにはサポーターとして入ってもらっていて、専門家の視点から活動のアドバイスをもらったり、一人ひとりのお子さんのことばに関する相談をしたりしています。~
ことばを話せるようになるまでの道のりはとても複雑です。
口や舌が思い通りに動く、ことばに意味があることを理解している、誰かに思いを伝えたい気持ちが育っている、挙げていけばきりがありませんが、その土台となるのが体作りであることをご存じでしょうか?
ことばを話せるようになる為には身の回りの色んな刺激を受け取り、脳を発達させる必要があるのですが、ここで重要となるのが体幹、いわゆる姿勢のコントロールです。
例えば仰向きで寝ている状態を想像してください。
何が見えるでしょう?
おそらく天井と首が動かせる範囲の様子くらいだと思います。
では、床に座れるようになったらどうでしょう?寝ている時よりも遠くまで見渡せるようになっているはずですし、なんなら首を回して自分の後ろの様子も見ることができます。
では、立つことが出来たらどうでしょう?歩けるようになったら?姿勢がコントロール出来るようになると目から入ってくる刺激だけでもこれだけ変わってくるのです。
体幹が重要となるのはそれだけではありません。
ことばを話せるようになる為にはまずことばを聞くことが出来ないといけません。
体幹の筋力が弱いと立っているだけ座っているだけでも疲れてしまいます。自分の姿勢をコントロールするのに一生懸命になっている状態で相手のことばに耳を傾けられるわけもありませんよね。ことばを「聞ける」ようになる為にも体幹は重要になってくると言うわけです。
すきっぷでは体幹の筋力を強くする為に色んな体の動きを運動遊びに落とし込んでいます。
一本橋を渡ったり、スイングに揺られたり、走ったり、飛び降りたり、ただ遊んでいるように見えるこうした動きのすべてが体幹を強くすることに繋がっています。
ことばの問題に気がついた時、多くの人はことばにのみ注目して問題を解決しようとしてしまいがちです。
その全てが間違っていると言うわけではありませんが、一見ことばとは関係のないような体作りの要素も含まれているのだということを覚えておく必要があるのです。
ことばを話せるようになる為の体作りは何もすきっぷでしかできないということはありません。
今回は体幹についてお話しましたが体を使うと言うことは色んな部分でことばの発達に繋がります。ホイールやスイングを使って効率的かつダイナミックに体を使うと言うことは難しくても、体を使った遊びをお子さんと一緒に楽しむと言うことはご家庭でも出来るかと思います。
ぜひ、ご家庭でも大きく体を使ってたくさん遊んでみてください。