おくむら先生の七色のひきだし

すきっぷ

 

臨床発達心理士の奥村康枝です。

 

新しい年度が始まり1ヵ月。

今年度から新たに*すきっぷ*に通い始めた子どもたちも新しい環境に少しずつ慣れ、不安や緊張が徐々に解かれていく様子が見られ嬉しく思っています。

 

 

子どもたちなりに年度替わりという状況を察し、それぞれの発達段階に応じた心構えを作り頑張る4月ですが、状況がわかってくればくるほどどれくらい頑張らなくてはいけないのかがわかり大きな負担感につながって疲れが出てしまうのが先週あたりからだと思います。

 

「園に行くことを嫌がる」「学校に行くことに大きな負担感をもってしまう」この状況は子どもの発達や特性と環境との相互作用によってどの子にも起こりうることだと思います。

 

 

登園や登校がスムーズにできなくなったときの初期の対応はとても大切です。

 

そしてこういう時こそ、保育園や幼稚園、学校との連携が必要になってくると思います。

 

お家の方は休みたい気持ちを受け入れていいのか、励まし背中を押せばいいのか迷い不安になられると思います。

どんな対応をすればいいのかは一人一人状況によって違いますが、まず子どもの「しんどい。」「つらい。」「元気が出ない。」に共感し受け入れたうえで、子どもたちの様子をよく観察したり、子どものことばに耳を傾けたりしながら、励まし背中を押すべきか、休んで休憩させるべきかを考えてみてください。

 

背中を押して頑張らせたときは園や学校に、しんどい思いを抱えながら登園・登校したことを伝えてください。

先生方も「しんどい思いをしながらも頑張ってきてくれたんだ。」とわかれば環境や活動に対する配慮やことばかけを考えてくださるはずです。

そして「しんどかったけど行けば楽しいこともいいこともあった。」という体験につながり朝の負担感や不安を軽減することにつながります。

 

 

長期化(子どもの状況によっては長期の見通しでゆっくり休むことが必要なこともありますが)したり、深刻化する前に一人で悩まず園や学校に相談してください。勿論すきっぷにも相談してくださいね。

 

今年度も引き続き、子育てに参考になる情報を発信させていただきたいと思います。

 

 

 

今できる事を自信につなげて』

 

運動が苦手で、運動遊びはあまり気がすすまないAちゃん。

新しい運動遊びに挑戦するのは少し抵抗があり、なかなか取り組めません。それでもできるようになったジャンプを盛んにして見せてくれます。

ちょっと苦手で勇気が出ない自分に「でも、これならできるよ。」「ジャンプ楽しい。」と言い聞かせたり、「先生!これはできるから。」とアピールしているようにも見えます。こんな時は新しい運動に挑戦することを無理に強要せず、ジャンプをうんと楽しめるようほめたり励ましたり、楽しさをことばに置き換えて共有します。

十分楽しめたところでタイミングを見計らって「トランポリンでジャンプしてみよう。」と抵抗の少ない新しい動きに促します。(漸次接近法)

Aちゃんも抵抗なくトランポリンでジャンプでき、できたことがうれしくて何度も挑戦します。しばらくはこの状況を見守り新しいことに挑戦できたことを自信につなげていきます。

 

子どもが今できる事を自信につなげ、色々な遊び方に主体的に、意欲的に挑戦できるよう関わっていきたいですね。