今年度1回目の『いろんな専門家に聞いてみよう』は臨床心理士の高木先生です!
今回は,『心の天気』という,自分の気持ちに気づく方法を紹介したいと思います.
『心の天気』は『こころの天気を感じてごらん』(土江,2008)において紹介さている方法になります.
私自身も自分の気持ちに気づいておく方法の一つとして使ったり,また心理療法の中でクライアントに取り組んでもらうこともあります.
準備するものは,紙と色鉛筆などの筆記用具です.
色鉛筆などは色数は少なくても問題ありませんが,雲を描くときに灰色が必要になることがあるため灰色はあった方が良いと土江(2008)は述べています.
紙には枠線があった方が安心して描きやすいため,自分のその時の気持ちに合った大きさで描いておくと良いでしょう.
その後,まずは体の力を抜いてリラックスするために何度か深呼吸をして,自分に「自分の心は今,スカッと晴れているかなぁ(一呼吸おく)それともどんより曇っているのかなあ.今の自分の心はどんな天気だろう」(土江,2008)と,問いかけてみて,今の自分の気分を天気になぞらえて紙に描いていきます.
描かれた『こころの天気』は自分の心の状態ですから,晴れだから『良い』とか,雨だから『悪い』といったことではなく,自分のその状態にそっと気づいておくくらいがちょうど良いでしょう.
描いた後には,絵を描いてみて感じたことなどを言葉にして書いておくことでより自分自身の理解が深まります.
また,描いた後には,何かスッキリした感じがあれば,自分の心の状態を素直に表現できていたということになりますが,まだモヤモヤする感じなどがあればそのモヤモヤにそっと触れた時にどんな天気なのか感じなおしてみると良いかもしれません.
ぜひ一度試してみてください.
文献
土江正司(2008):こころの天気を感じてごらん 子どもと親と先生に贈るフォーカシングと「甘え」の本 コスモス・ライブラリー