【 『遊びたい!』を『もっと遊びたい!!!』に 】
朝の自由遊びの時間です。
年長クラスのお兄さんが玉ころがしのコースを作り始めていました。
坂道を下って、登らせて向こうのジグザグ坂道まで届かせ転がしたいのですが・・・。
勢いが足りません。
こんな風にしたいんだという思いは十分伝わってきます。
そこで、少しお手伝い。
立方体の積み木の上に坂道の端を載せて勾配を急にすれば勢いが少し増すことを教えます。
最初は「何故そんなことをするの?」と不思議そうに見ている子どもたちでしたが、確かに勢いがついてもう少しというところまで登っていくことを確認すると、もっと勾配をつけようとしたり、長い方の坂道に変えて下る距離を伸ばしてみたりして工夫を始めました。
坂道を長い距離にすると勢いが増し上り坂を登りきるという物理的体験を幼いながらやってのけたのです。
すると途中トンネルを作りたくなったり、転がす球を変えてみたくなったり、自然と子どもの中にこうしたらどうなるという探求心が高まります。
その一部始終を眺めていた3歳児もボールが転がしたくなりボールを要求します。
このように遊びが広がっていく、そして当初の目的を達成した成功体験と共に、工夫した経過を楽しかったと感じ取れるようになることは子どもの意欲や思考を高める豊かな遊びと言えるのではないでしょうか。
しかし、子どもの気づきだけに任せておくと「できた!」の成功体験には導けなかったと思います。
勿論子どもの気づきを信じて待つことも大切ですが、時には大人が気づきやすくするために手を差し伸べることが意欲や知識を、体験を通して育てる事にもつながるのではないかと思います。
「やってみたい!」と思う遊びを「もっとやってみたい!!!」につなげていけるためのタイミングの良いちょっとした介入(ヒントを出す)ができるよう、子どもの様子をしっかり見守りましょう。他の刺激(携帯電話など)に気を取られていると、タイミングのよいことばかけやお手伝いのチャンスを逃します。