おくむら先生の七色のひきだし

すきっぷ

 

 

【子どもが夢中になる遊びの秘密】

 

5歳になったばかりの孫が最近さかんにしりとり遊びに付き合ってほしいと要求してきます。

 

「ばぁば、どうなったらしりとりって終わりになるんやっけ?」と聞くので

 

「“ん”で終わる言葉を言ったらおしまい。“ん”から始まる言葉はないから続けられんやろ。例えば、“ほん”って言ったらおしまいな。」と説明します。

 

「そうか分かった。」と張り切って返事をしますが、そう簡単に分かるはずもなく経験を重ねないと“ン”の音の理解は難しいのです。

 

 

途中「だいこん」と言い、おしまいを指摘すると「“だいこう”やん“ん”とちがう。」と主張したり、「でんわ」と言って「あー“ん”ついた」と悔しがったり、「しんかんせん」と言って終わりを素直に認めたり…。

 

音韻分解も音の正確な把握もルール理解もまだまだ未熟ですが、そこそこ、音韻分解ができるようになり、わかる(イメージできる)ことばが増えてきて、最後の音で始まる言葉を探すという簡単そうで難しいルールが理解できるようになった今だからこそ「しりとりあそび」を楽しめるのだと思ます。

半年前にしりとり遊びに誘った時は全く応じようとしなかった孫ですが、楽しめる時期が来たんだなと感じるこの頃です。

 

このように子どもが遊びに夢中になれる条件として、まず遊びとの出会い(環境設定)があり、興味関心(これは個人の好き嫌いにも影響されますが)、分かる・できる力が整うという条件が揃ったとき、子どもはその遊びが楽しいと感じられるのだと思います。

 

そしてもう一つ遊びに対するモチベーションが持続する秘密としては、『簡単すぎない』という事だと思います。

 

ちょっと難しいけどできたと実感できた時の誇らしい気持ちはどんなに幼くても、発達に特性があったとしても、人がみな欲する思いだと思うのです。

 

 

自信につながる成功体験は次の挑戦につながります。こうして遊びを展開し、広げていくことでまた子どもたちのできるわかるが増えていくのだと思います。

 

発達を促す豊かな遊びの提供ができるよう“すきっぷ”でも日々悩み、考えて療育プログラムを創りだしています。