おくむら先生の七色のひきだし

すきっぷ

 

 

「うちの子言葉がおそくて・・・。」

 

最近、早期に(1歳過ぎから)「言葉が遅いのでは?」と悩んだり不安に思ったりして相談に来られるお父さん、お母さんは少なくありません。

言葉は子どもの表現として分かりやすいので、「ママ」とか「パパ」とか「ワンワン」とか、他の子どもは言えるのにとなんとなく不安になられるのでしょう。

そこで、今回からシリーズで『ことばの育ち』についてお伝えしたいと思います。

 

 

 

シリーズ1 言葉の育ちを支える身体の働きと遊び

 

人間はことばを使って「考え」、「伝え合い」、「行動をコントロール」します。

この便利な「ことば」の獲得と活用を支えるのは、からだ(脳幹)とこころ(大脳辺縁系)です。

 

発語が遅いからといってことばを教えることにエネルギーを注ぐのではなく、うんと身体や感覚を使って遊び、分かってもらえる、必ず助けてもらえるという安心感をベースに体験や感覚を共有、共感(一緒に楽しむ)ができる心地よさを体験させてあげてください。

 

療育の場面では子どもたちの目はキラキラと輝き、身体全体で、声で、表情で思いを伝えてくれます。

こんなとき私たちには子どもたちのことばにならないことばが聞こえてくるのです。この発信を受け止めてもらえる体験が発語につながっていきます。

 

 

次に、ことばの育ちを促す「遊び」についてお伝えしたいと思います。

 

まずは、ことばの発達の基礎となる運動や感覚(脳幹)を刺激する遊びをお勧めします。

だからといって何も特別な道具や環境を準備する必要はありません。

抱っこして揺らす、抱っこして回る、「たかいたかい」や腕ぶらんこ、くすぐり遊びなど子どもたちが喜ぶ 「もっとー」と要求する遊びを一緒に楽しむこともことばの育ちに繋がります。

 

 

 

お料理のお手伝いは色々な感覚を刺激したり、手指の操作の機能を高めたりします。

 

 

子どもの遊びは時として危険を伴いますが、すぐに禁止するのではなくギリギリのところまで見守り挑戦させてあげることも大切です。

体全体を使った遊びや手指操作は発語につながる構音器官の機能を高めます。

 

 

気候変動や感染症対策など子どもたちの遊びにも制限がかかりがちですが、ずいぶん過ごしやすくなったこの時期。お散歩、虫取り、どろんこ遊び、草すべりなど体全体を使って楽しむ遊びや、感覚を刺激する遊びを親子で楽しんでみてください。

 

この体験がからだとこころを刺激し言葉の獲得やコミュニケーション意欲に繋がると思います。