いろんな専門家に聞いてみよう

すきっぷ

 

今回の『いろんな専門家に聞いてみよう』は、言語聴覚士の島嵜さんです。

 

 

 

~ことばを育てる習慣や遊び~

 

お子さんが話せるようになると気になってくるのが発音についてです。

 

私たちは肺からの息で声帯を震わせ、口の大きさや形、舌の位置を変えることで思い通りの音を生み出しています。

そしてそれを日本語であれば少なくとも50音ぶん(実際はもっと多いのですが…)私たちは使い分けています。それも意識せずに、です。

 

これは大変なことです。大人であっても舌がもつれてしまうことがあるのですから、脳も体もまだまだ未熟な子どもたちにとってはもっと大変なことだと気づけるはずです。

 

 

では、正しい発音を身に着けるためにはどういった習慣や遊びを大切にしていったらよいのでしょうか。

 

今回は主に口の動きに関連した内容を取り上げて、少しだけご紹介させていただきたいと思います。

 

≪食べる≫


食べる時の口の動きというのはことばを話す時にも使われる動きです。

よく噛んで食べることはもちろん、フタに付いたクリームなどを舐め取ることも舌の動きの練習になるので、お家の中でくらいなら見逃してあげてもよいのかもしれません。

 

 

≪うがい≫


うがいの動きは「か」行の発音の練習になります。

ただし、ガラガラうがいは意外と難しいので、無理そうならブクブクうがい(口ゆすぎ)から慣らしていくのがよいと思います。

可能であれば危険のない範囲でうがい競争(うがいの長さを競う)をするのもよいかもしれません。

 

 

≪息を吹く≫


熱いものを冷ましたり、お誕生日にろうそくの火を消したり、唇の開き具合や吐く息の調整の練習になります。

シャボン玉、吹き戻し、吹き矢など、息を吹く遊びはたくさんありますので、お子さんと一緒に楽しんでみてください。

また、静かにする時の「しー」という息の出し方は「さ」行の発音の土台となりますので、こちらも遊びの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

≪まねっこ≫


上手に発音するためには自分の体を思い通りに動かせる必要があります。相手の動きを見て自分も同じように動く必要のあるまねっこは自分の体の動かし方を意識する練習になります。

まずは動物などの大きな動きから始めて、細かな動きまでまねできるようになってきたら、あっかんべーのような顔の動きをまねしてみるのもよいかもしれません。

 

 

ことばの発達には個人差があります。

これは発音についても同様です。

 

「上手に話せない」と心配することは決して間違ってはいません。

ですが、発音が間違っていたり、聞き取りにくかったりするたびにそれを指摘されていたのでは話すこと自体が嫌いになってしまいます。

 

ことばを、発音を、育てるのは他者との楽しい関わりです。

お母さんやお父さんと一緒に過ごす楽しい時間を大切にしながら、じっくりと付き合ってあげてみてください。